1. はじめに
ここではアルミフレームを使ってアルトの車中泊用フラットベッドを製作しています。
しかもこのベッドは遠方の友人からの依頼で設計、加工は私が担当、最終組立ては友人が
担当する分業となっています。
普段、アルミフレームを身近で見かけることはあまりありませんが、
企業や工場では一般的に使われているとても便利な材料です。
アルミフレームはアルミで出来た角材でサイズのラインナップも多く、
車中泊用ベッドのようなものからカーポットまで幅広くDIYができる材料です。
詳しくはこちらに説明していますので、興味があればご覧ください。
アルミフレームやアルミパイプをご存知ですか?アルミでできた角材とパイプ材ですが、非常に便利な特徴をもっています。これを使えば自由に色んな構造の物を作れますし、回転やスライドのような可動機構も作ることができます。また強度やたわみ量などが明確なので壊れず安全に使えるものが作れます。
設計には3D CADを使い、図面で構造や寸法をお互い確認しています。
アルミフレームは誰でも無料で3D CADを使って設計できることもオススメの1つです。
これを使うことで作る前に様々な角度から構造を確認でき、寸法や部品、個数なども自動で
計算してくれるので加工ミスや手配ミスをしなくなります。
アルミフレームやアルミパイプには専用の3D CADが無料で提供されています。そのためこれを使えば作る前に色んな角度から見ることが可能となり、設計ミスが少なくなります。さらに部品の長さや種類、数なども自動で計算してくれるので部品手配ミスや加工ミスも低減することができます。
アルト 車中泊用フラットベッドは初めてこの3D CADを導入しましたが、そのおかげで
遠方の友人と作る物のイメージを上手く合わせることができました。
これまでの友人とのやり取りや製作までこちらの記事から見ることができます。
このDIYのはじまりは以前作ったホンダモビリオの車中泊用ベッドを見た友人が自分も作りたいと言ったことからです。まずはお互いにできる事を相談して役割を決めました。そして彼が自分でスケッチしたものをベースに3D CADで設計して、お互いに構造や寸法を決めていきました。
ここは私のパートでアルミフレームを必要な長さに切断加工から始まります。その後、各部品を組み立てて、設計した図面と同じものができているか確認しました。実際に作った物は足の高さも異なり図面なしで作るには難しいものでしたが、無事設計通りのものが完成しました。
私の最後のパートで、一度組み上げたベッドを分解、梱包して友人宅へ発送します。次に友人が組み立てるときに判りやすいように各フレームに番号を付けて、簡単な組立手順書を作成して一緒に同封しました。これはのちに大変役に立ったと言ってもらえました。
2. ベッドの組立(友人担当)
私のパートは無事、終了しました。
あとは友人が組立てて完成させてくれるのを待つだけです。
あいつ、大丈夫かな??( ̄Д ̄;;
アルミフレームの便利な点は組立てがとても簡単で誰でもできることです。
基本的な作業はボルトを締めるだけで、使用する工具も六角レンチ1本だけです。
ホームセンターにある組立て式のカラーボックスのようなものです。
そのため今回のような分業化が可能となっています。
アルミフレームやアルミパイプの組立ては六角ボルトを締めこむだけの簡単作業です。六角レンチ1本あれば全てを組み立てることができます。ウチの小学2年生の子供でもこの通り。誰が作っても同じように組みあがるので技術が要らず、初めての方やDIYしない人も安心して利用できます。
すると数日後、友人より連絡が。
その内容は・・・
無事、完成!!
よかったぁ~ (*^^*)
やはり物が出来るまで不安ですから(苦笑)
友人をせかして写真を送ってもらいました。
まずはアルミフレームを設置した状態です。
電話で話をしていたので大体の感じは事前に知っていましたが、実際に見ると感慨深い。
友人よ、よくここまで組み立ててくれたなぁ
後ろ座席を前に倒した時にフラットにならずかなりの傾斜が残ってます。
この傾斜はマット程度ではカバーできないと思いますね。
アルミフレームはこの傾斜の上に載っているようです。
それから足の高さが違う理由がわかりました。
1箇所だけ荷台に足が載るため他より短くなっていたんですね。
確かにモビリオのときもそうだったなぁ
運転席はそのままで助手席を倒してそこに足を伸ばして寝るらしいです。
長さは約2mあるので十分足を伸ばせるようです。
次に下板を設置した状態です。
基本的には助手席を倒したままにしておいて、いつでも寝れるようにするみたいです。
下板は助手席と後部座席で分離されていて、助手席まではすぐに作れるようですね。
しかし、後部座席は隙間があるぞ!?
彼曰く、カット寸法を間違えたらしい(笑)
え~~、何とかしてよって言ってみたものの、
あー、これでいいよ、だって・・・
確かにそんな性格だったよね(笑)
ベッドから車内天井までは75cmほどあるようです。
普通に座ると頭があたりそうですがこれが限界でしょうね。
写真で見えるあの隙間分が下がれば高さ方向も余裕が出そうですが
シートがあるので無理です。
ただ小物入れにはなりそうですね。
3. 感想
かかった費用を計算したところ、フレーム部品だけで約1万円ほどです。
下板はホームセンターで購入したようなので多分1,500円程度だと思います。
これでスズキアルト車中泊用フラットベッドの製作は終了ですが、如何だったでしょうか?
この製作を通していくつか感じたことがあります。
1. 車中泊は工夫次第
「車中泊したいけどこの車ではできない」
そんなことを聞くことがありますが、決してそんなことはありません。
どんな車でも車中泊ができる可能性はあります。
確かに大きい車に比べると快適さは落ちますがそれでも自分で工夫することで愛着が出て、
満足感は得られますよ。
2. アルミフレームは誰でもDIYできる
今回は新たな取り組みでDIYの分業化に挑戦しましたが、十分いける感触が得られました。
初めて触る友人でも完成させることができて、自分の欲しい物をDIYで手に入れました。
組立ては基本的にはボルトを締めるだけで、使用する工具は六角レンチ1本だけです。
アルミフレームの輸送も分解することで費用を抑えられます。
構造を考えたり、強度計算、部品選定等は多少慣れないとすぐにできないかもしれませんが、
3D CADを使うことでその部分を分業化出来ます。
そう、誰でも好きなものを造れます!
いいでしょ? アルミフレームって(笑)
アルト以外にも車中泊用ベッドをフレームで製作していますのでご覧ください。
マイカーのホンダモビリオに車中泊用のフラットベッドをアルミフレームを使ってDIYしました。モビリオは席を後ろに倒すと段差ができてしまい、快適に寝れません。そこで全てのシートを覆ったフラットベッドを作ることでセミダブルのマットが敷ける広さを確保できました。
もし車中泊に興味があり、マイカーを改造したい方は是非チャレンジしてみてください。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。
もしDIYを普段しないが興味があり作ってみたい方は「LINK YOUR DESIGN」を
ご利用下さい。
アルミフレームやパイプを使ったDIYを一緒にしてみませんか?
DIYする時間や工具がない
普段DIYをしないので自信がない
そんな方にも安心で手間がかからず欲しい物が手に入る共同DIYです。
まず設計や構想は御自分で考えて欲しいものをイメージしてください。
もし自分で加工から組み立てまでされる方は必要に応じてアドバイスを致しますし、
手間な部品手配や加工をしたくない方はこちらで実施して組み立てる状態の部品を
お送りすることもできます。
初めて使う材料で不安な方も安心して製作DIYすることができますよ。
気に入った市販品が見つからない場合は試してみては如何でしょうか?
詳しいサポート内容や進め方はこちらで説明しています。
またこれまでのサポート事例はこちら。
「サポート事例集」
これまでアルミパイプやアルミフレームで製作した作品はこちらです。
アルミフレームを使ってキッチンに壁収納を作りました。壁を傷付ける事なく、アルミフレームを突っ張り棒のように固定して他の部品を組み立てていきます。アルミは燃えないので火の回りで使っても安心。しかも100均部品を利用したからくりがあります。右の写真でテーブルがありますが、どこか判りますか?
住んでいる家の洗面室がとても狭く、家族4人分の着替えや洗剤などを置く収納場所がありません。そこでアルミフレームを使って洗濯機の上やちょっとしたスペースを有効的に利用できる収納棚を作りました。市販品の棚だとどうしても無駄なスペースが出来ますが、自分で設計して作れば最適。しかも100均を利用して費用も抑えました。
住んでいる賃貸住宅には軒や屋根がなく、洗濯物を干したり自転車を雨から避ける場所がありません。そこでアルミパイプを使って幅4mもあるテラス屋根を作りました。特徴は壁を傷付けたりコンクリートを使用せずにいつでも元に戻せること、目隠し壁まで取り付けても費用は4万円台という点です。
うちでは何故か長男だけが花粉症です。そのため花粉の季節になると目を赤く腫らして微熱が出るので辛いです。そこで洗濯物を干すためのサンルームをアルミフレームで作ってみました。大きな扉も付けて布団も干せます。ところがサンルーム内の温度は確かに上がりましたが、洗濯物が乾かない!?そこにはサンルームの落とし穴がありました。
今の賃貸部屋は間取りがとても悪く、リビングに入る扉を開けるとキッチンが全部見えてしまいます。キレイな時は問題ありませんが、そうでないと大変。そこでキッチンを丸ごと囲う目隠しカーテンをアルミパイプで作りました。パイプを突っ張り棒のように使えば、どんな場所にでもカーテンや壁、扉を作ることができますよ。
サンルームで検討した経験をもとに、部屋干しでもあっという間に乾かせる回転式乾燥スタンドを自作DIYしました。扇風機の風を当てると洗濯物がくるくる回転して万遍なく均一に乾かすことができます。蒸発した水蒸気も効率よく排出し、扇風機だけで乾くので電気代も10円程度で済みますよ。
高さ2mもあるパントリーには据付の棚がありません。そこで収納棚を作り、上の空間まで無駄なく利用できるようにします。ただ問題はここが賃貸住宅であること。そのため壁に直接ビスや釘は使えません。そこでパイプを突っ張り棒のようにして固定することで10kgの米袋を載せてもビクともしない棚にしました。