1. はじめに
オンラインDIY にてアルミパイプを使って
ボートランチャーをDIYしました。
ここではアルミフレームやアルミパイプを
使ったDIYを紹介していますが、
オンライン共同DIYも行なっています。
これはアルミフレームやパイプのDIYを
一緒に協力しながら行う活動です。
アルミフレームやパイプはとても便利な材料で
木材にはない優れた特性がありますが、
普段身近にないため使い方がわからない
という欠点があります。
そこでアルミフレームやパイプの使い方や選定、
設計などをアドバイスしながら初めての人でも
安心してDIYできるようにするものです。
これまでの共同DIY事例はこちらで見れます。
アルミパイプやアルミフレームを使ってみたいという方と一緒に共同DIYを行っています。これらの材料はとても便利ですが入手性の悪さからあまり知られていません。そのため部品選定や使い方、加工、組立方法など初めての人はわかりにくいです。そこで共同DIYでは誰もが扱えるようにサポートしています。
今回の相談者は千葉県在住のSさんです。
ボートランチャーをアルミで自作します。
アルミは海水にも耐久性があるので最適です。
こちらが一緒に作ったボートランチャーです。
アルミパイプ(G-fun)で作っています。
左側は元々使われていたもので、
それを参考に右側のものをDIYしました。
ボート重量は35kg程なので直径43mmの
アルミパイプをベースにしています。
実際にボートを載せて運んだところ、
しっかりしており十分運搬できます。
自分で作れば必要サイズや仕様で作れるので
使いやすいと思います。
またコストも抑えられるので同じ予算で
多くのランチャーを作れますね。
今回はこちらのサポートDIYを紹介します。
2. Sさんの相談内容
Sさんからいただいた相談内容です。
お世話になっております。
サイトを拝見し、初めてメール致します。
私は子供用ヨットの船台をアルミフレームで
つきましては、フレームDIYラボにて支援を
ボートランチャーとは小型ボートを載せて
マリーナから波止場まで運ぶ時に使用します。
ボートは船舶のような大きいものではなく、
競技用の一人乗りボートです。
元々使用されていたランチャーはこちらです。
(ドーリーEX1076)
ボート重量も35kg程しかないようです。
当然私はボートについて何も知らないので
Sさんに色々教えてもらいました。
こちらがSさんからいただいたスケッチです。
サポートDIYの多くはこのように
手書きのスケッチから始まります。
頭の中にあるアイデアやイメージを
実現していく事がDIYの醍醐味です。
ボートランチャーはアルミ製が一般的です。
アルミは海水に対しても耐久性があります。
メーカもアルマイト処理が施されていれば
問題ないとことでした。
実はこれまでも船舶の日除け屋根を
アルミパイプで作った事があります。
サポートDIYでは私の知らないアルミの用途を
色々と教えてもらえてとても勉強になります。
早速、Sさんと具体的な設計を進めます。
3. オンラインDIY ボートランチャーDIY
3.1 オンラインDIY アルミ材料
使用する材料はアルミパイプ(G-fun)です。
家庭DIYではまだあまり知られていませんが、
企業などでは一般的に広く利用されています。
イレクターパイプと似ていますが、
全く異なる特徴があります。
家庭DIYで利用する金属パイプにイレクターパイプがあります。アルミパイプも同様な用途で利用できますが、イレクターパイプよりも優れた特徴がいくつもあります。ここではイレクターパイプとの比較やアルミパイプの種類について、詳しく紹介しています。
現行のランチャーは角材で作られています。
同じようにアルミフレームでも作れますが、
角度を付ける部分が少し手間になります。
そこで角度調整が簡単なパイプ材にします。
パイプどうしはコネクタで連結しますが、
種類が豊富で角度調整用の部品もあります。
これを使えばアーム角度を調整できます。
アルミパイプどうしを連結する部品がコネクタです。コネクタにはたくさんの種類があり、連結方向も直角、水平、クロスなど様々な用途に利用できるようになっています。またパイプに沿って動いたり、パイプを軸に回転したりという可動できるコネクタもあります。これを利用すればDIYの幅が広がりますよ。
またボートランチャーにはボートを載せて
運ぶための大きな車輪を付いています。
そこで持ち運びがスムーズにできるように
直径100mmの大きめの車輪を使います。
(ノーパンクタイヤ一輪車用)
ここで車輪軸ボルト径がM16になりますが、
パイプ材であれば簡単に取り付けできます。
このようにアルミフレームとパイプは
それぞれ特徴があり使い分けが重要です。
3.2 オンラインDIY CAD設計
アルミパイプは専用の3D CADソフトで
設計することができます。
ソフトはメーカから無料で提供されており、
誰でも自由に利用することができます。
インストール方法や簡単な使い方は
こちらの記事で紹介しています。
アルミフレームやアルミパイプには専用の3D CADが無料で提供されています。そのためこれを使えば作る前に色んな角度から見ることが可能となり、設計ミスが少なくなります。さらに部品の長さや種類、数なども自動で計算してくれるので部品手配ミスや加工ミスも低減することができます。
Sさんからいただいたスケッチを元に
二人で相談しながらCAD設計します。
こちらが考えたボートランチャー図面です。
アルミパイプの直径43mmと28mmのものを
組み合わせて作ります。
アルミパイプは直径の異なるパイプを
一緒に組み合わせる事ができます。
この点は非常に便利なので覚えて下さい。
ボートを載せる部分は43mmパイプで作って
船体重量をしっかり支えます。
パイプが太くなるとパイプを繋ぐコネクタの
連結強度も上がるので全体的に強くなります。
車輪取付はM16用フットコネクタをパイプに
取り付けてそこにねじ込みます。
手持ち部分は握りやすいように
28mmパイプを使います。
アーム部分は角度調整コネクタを使います。
使いやすい角度に現地で調整できます。
ただこの部分は若干強度が不足しており、
後で部品を追加補強することになりました。
後はボートを載せた際に傷が付かないように
樹脂製カバーをパイプに取付けます。
パイプ材以外にもアクセサリ部品が豊富に
あるので色んな組み合わせが楽しめます。
アルミパイプには標準のアクセサリ部品があり、その中にアジャスター足があります。これはパイプの中にナットを固定し、そこに足の付いたボルトをねじ込むことで高さを調整できる部品です。これを使った縦方向の突っ張りパイプはとても便利なのでオススメです。
設計が終われば後は部品を準備します。
3.3 オンラインDIY 組立
設計が終われば部品をメーカに依頼します。
パイプは指定長さに加工されて届くため
Sさんが加工する必要はありません。
届いた部品を組み立てるだけで作れます。
送料もメーカが負担してくれるので
長い材料も安心して購入できます。
Sさんは初めてアルミパイプを使われるので
材料を見ただけで組み立てるのは難しいです。
そこで私が組図を作ってお渡ししています。
私が一緒に作ることはできませんが、
作ることをサポートすることはできます。
組立作業のほとんどは六角レンチでできます。
技術や知識も必要ないのでDIY初心者でも
すぐに慣れて簡単に作業できます。
この作業性の良さがオンラインでの
共同DIYを可能としています。
アルミフレームやアルミパイプの組立ては六角ボルトを締めこむだけの簡単作業です。六角レンチ1本あれば全てを組み立てることができます。ウチの小学2年生の子供でもこの通り。誰が作っても同じように組みあがるので技術が要らず、初めての方やDIYしない人も安心して利用できます。
そしてついに完成です!
CAD図面通りの仕上がりになっています。
実際に船をを載せて運んでも現行ランチャーと
比較して違和感がないとの事でした。
本体に43mmサイズのパイプを使ったことで
かなり安定感があるとの事でした。
車輪の取付もバッチリです。
市販の部品がそのまま使えるのは嬉しいですね。
ただアーム部分の角度調整コネクタが
少し動くことがあったため、
後で補強部品を追加する事にしました。
別の角度調整コネクタをアームの内側に
追加して補強します。
やはり使って初めてわかることもありますが、
大きく外さなければ追加修正で対応できます。
逆に最初の設計や部品選定を間違えないよう
十分検討することが大切です。
またボートを載せた際に船体が左右にずれる
ケースがあったので追加部品で対応します。
あとは手持ち部分にグリップ材を使ったり
パイプが地面と接触して傷つかないように
アクセサリ部品を一緒に準備しました。
私がボートランチャーを使った経験がなく、
細かい部分までは想像が及びませんでした。
ただ部品の後付けが簡単なので対処できます。
今回のように可動したり屋外で使用する際は
振動や熱膨張でコネクタのボルトが緩みます。
そのため作用状況に応じてコネクタのボルトに
ネジ緩み防止剤を塗布する事をお勧めします。
これはネジ目に入り込んで接着剤のように
硬化するので外れにくくなります。
最後にこちらの費用ですが、
アルミパイプ部材だけで約1万円です。
これとは別に車輪2個が必要ですが、
こちらはSさんが準備されました。
Sさんはこのランチャーが気に入られて
28mmパイプでもう1台作製されました。
アルミパイプやフレーム材を使用すれば
DIYの可能性が広がりアイデアを具現化する
ことができるようになります。
Sさんに満足していただけて良かったです。
4. さいごに
アルミパイプでボートランチャーDIYは
如何だったでしょうか?
意外と知られていませんが、
アルミは海水に近い環境でも使えます。
例えばボート屋根やちょっとした手すりなど
船体で使用する部品としても使えます。
使用場所を選ばないのでとても便利ですね。
またアルミパイプは車輪のような市販部品とも
組合わせて使えるのも嬉しいですね。
特に加工することなく組立だけで作れるので
DIY初心者向きの材料です。
普段DIYに馴染みがないと難しく見えますが、
手描きスケッチから始まり完成しました。
これが出来るのがオンラインDIYです。
二人で協力してアイデアを出し合えば
オンラインでも作れるようになります。
DIYは世の中にない自分にピッタリなものを
手に入れる唯一の手段だと思います。
自分のイメージを完成物につなげる物語です。
これは物だけでなく人も繋げます。
同じようなボートランチャーを作りたい時は
実際に作ったSさんと繋がることができます。
このように物と人を繋げる事で
一人では手が届かなかったものを
DIYを通してみんなで完成させます。
こんな温かいDIYがもっと広がって、
みんなが欲しいものを作れるといいですね。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。
アルミフレームやパイプを使ったDIYを
一緒にしてみませんか?
DIYする時間や工具がない
普段DIYをしないので自信がない
そんな方にも安心で手間がかからず
欲しい物が手に入る共同DIYです。
一人で考えるよりも複数人で考えた方が
よりいいアイデアも生まれます。
まず設計や構想は御自分で考えて
欲しいものをイメージしてください。
もし自分で加工から組み立てまでされる方は
必要に応じてアドバイスを致しますし、
手間な部品手配や加工をしたくない方は
こちらで設計して組み立てる状態の部品を
お送りすることもできます。
初めて使う材料で不安な方も安心して
チャレンジすることができますよ。
気に入った物が見つからない場合は
試してみては如何でしょうか?
詳しいサポート内容や進め方は
こちらで説明しています。
これまでのサポート事例はこちら。
「サポート事例集」
詳しくアルミフレームやアルミパイプを
知りたい方は動画で実物を使った説明や
DIYしている様子を見ることができます。