(共同DIY)自宅ベランダに観葉植物用サンルームを自作


1.  はじめに

フレームDIYラボではアルミフレームやアルミパイプを使ったDIYを紹介していますが、

興味がある人と一緒にLINK YOUR DESIGNという共同DIYも行なっています。

これは実際にアルミフレームやパイプを使ったDIYを一緒に協力しながら行う活動です。

アルミフレームやアルミパイプはとても便利な材料で木材にはない優れた特性がありますが、

普段身近にないため使い方がわからないという欠点があります。

そこでアルミフレームやアルミパイプの使い方や選定、設計などをアドバイスしながら

初めての人でも安心してDIYできるようにするものです。

これまで行なってきた共同DIYの様子はこちらから見る事ができます。


(共同DIYサポート事例集)

アルミパイプやアルミフレームを使ってみたいという方と一緒に共同DIYを行っています。これらの材料はとても便利ですが入手性の悪さからあまり知られていません。そのため部品選定や使い方、加工、組立方法など初めての人はわかりにくいです。そこで共同DIYでは誰もが扱えるようにサポートしています。


今回の相談者は東京都在住のSさんで自宅のベランダに植物用のサンルームを

作りたいという内容です。

以前、洗濯干し用サンルームを作りましたが、その記事を見られて相談されました。


マッティさん

自宅テラスにサンルームを作りたくて、何からすれば良いかわからず、サポートもしくはまるっとお願いできますでしょうか。


Sさんは観葉植物が趣味でそれをベランダに置くためサンルームを作りたいということです。

温度管理もされるためできるだけ密閉しつつベランダ窓からそのまま入れるようにします。

このような既存のスペースにサンルームを作ろうとすると既製品では合わないため

業者にお願いするか、DIYするしかありません。

木材では難しいDIYですが、アルミフレームを使えば作ることができます。

こちらも同じようにベランダにサンルームを作った事例です。


(ベランダにアクリル板を使ってサンルームをDIYしよう!)

ベランダ にピッタリなサンルームが欲しい!でも業者に断られてどうしよう・・・。そこでアルミフレームとアクリル板を使ってDIYしました。窓や扉を作って床にタイルを敷き詰めたらオープンカフェのような空間が完成!晴れた日はくつろぐスペース、雨天時は洗濯物を干すスペースとして利用できます。


なかなか難しいDIYですが、Sさんと2人で無事に完成させました。

家のベランダが植物園のような空間になっていてすごくオシャレです。

家というよりもはやカフェのような雰囲気です。

今回はこのベランダサンルームのDIYについて紹介します。




2.  ベランダサンルームのDIY構想

まずはSさんのご自宅ベランダの様子を写真で見せてもらいました。

だいぶ高いところにある御自宅のようで景色が抜群に素晴らしいです。

コンクリート造りでベランダには軒がありその下にサンルームを作りたいとの事でした。

住宅が木材であればビス固定ができますが、コンクリートの場合はそれができません。

Sさんの希望されるサンルーム条件は、以下の通りです。

①なるべく窓からの景色の邪魔にならないようにする

②夏には室内に風を入れたいので窓を作りたい

③コンクリートに穴あけ加工などせずにサンルームを固定したい

④温度管理をするため隙間をなるべく作らない

⑤ベランダ突起部分もサンルーム内に入れたい

御自宅はだいぶ風が強いということで窓はあきらめてもらいました。

アルミフレームでも窓を作ることはできますが、

元々は屋内用途を想定しているため屋外仕様になっていません。

そのため隙間が大きく、窓自体の固定も弱いため風が強い場所には不向きです。

その代りにアクリル板の取り外しができるような設計にしました。

これだと風を通したいときはアクリル板を外せば室内に風を取り込めます。

サンルームの固定は本来ならコンクリートにアンカーを打ち込んで固定したいですが、

今回はそれができません。

そこでサンルームの固定は突っ張りで固定することにしました。

アルミフレームにはアジャスターと呼ばれる部品があり、これで突っ張り固定ができます。

しかも床と軒がコンクリート製なのでかなり強く固定することができます。

最後のベランダ突起部分ですが、ベランダの形状は次のようになっています。

ベランダは長方形ではなく、壁があるため一部狭くなった突起部分があります。

この部分までサンルーム内に入れるように作ります。

アルミフレームを使えば、このような複雑な形状にも合うように作ることができます。

3. ベランダサンルームのDIY設計

3.1 ベランダサンルームの材料

ベランダサンルームをDIYする材料はアルミフレームです。

アルミフレームは企業や工場などでは一般的によく使われる材料ですが、

家庭DIYで見ることはあまりありません。

アルミでできた角材で木材にない優れた特徴があります。

アルミフレームには色んなサイズがあるため用途や必要強度に応じて選定します。

各フレーム強度や組んだ時のたわみ量など計算して事前に把握できるのでとても便利です。


(アルミフレームの種類)

アルミフレームは断面サイズで分類されており、(15×15mm)から(100×100mm)まで幅広いラインナップとなっています。断面形状も正方形だけでなく、長方形もあります。そのため用途に応じて使い分けが可能で、例えばカーポートから小さな棚まで幅広いDIYに適応できます。フレームサイズと一緒にブラケットなどの部品もそのサイズ専用となるので注意が必要です。

(アルミフレームの強度計算)

アルミフレームの強度は①単体強度、②BOX強度、 ③接合強度の3つを考える必要があります。全ての強度が想定荷重よりも高ければ安心して作れます。


ベランダは雨が降りこむため錆びないアルミフレームは最適です。

しかも突っ張り固定もできて、アクリル板などの固定も簡単にできます。

Sさんのベランダには強風が吹くことがあるため

アルミフレームのサイズは40×40mmをベースに考えました。

またアルミフレームの突っ張り固定にはアジャスターという部品を使いますが、

このようなアクセサリ部品はメーカで準備されているので簡単に手に入ります。


簡単で便利なアクセサリ部品

アルミパイプには標準のアクセサリ部品があり、その中にアジャスター足があります。これはパイプの中にナットを固定し、そこに足の付いたボルトをねじ込むことで高さを調整できる部品です。これを使った縦方向の突っ張りパイプはとても便利なのでオススメです。


アルミフレームに厚み5mmのアクリル板を貼り付けてサンルームを作ります。

メーカではアルミフレームだけではなく、アクリルやポリカ板材なども用意されているので

一括にまとめて購入することもできます。

またサンルームの隙間にはスポンジ板を取付けて隙間風が入らないようにします。

3.2 ベランダサンルームの設計

アルミフレームやアルミパイプはメーカから専用の3D CADが提供されており、

自分で設計することができます。

これを使う事で作る前にどのような構造になるかを様々な角度から見る事ができます。

このCADについてはこちらで詳しく動画を使って紹介しています。


フレーム、パイプの3DCAD設計)

アルミフレームやアルミパイプには専用の3DCADが無料で提供されています。そのためこれを使えば作る前に色んな角度から見ることが可能となり、設計ミスが少なくなります。さらに部品の長さや種類、数なども自動で計算してくれるので部品手配ミスや加工ミスも低減することができます。


そしてこちらがSさんと一緒に考えたCAD図です。

右側の四角の枠が住宅窓に繋がる部分でサンルームへの入り口となります。

住宅窓を開ければすぐにサンルームに繋がる造りです。

左手前のくぼみはベランダにある壁部分を避けた形状となっています。

また上部にも段差がありますが、こちらは軒部分に段差があるため

その形状に合わせています。

こちらはサンルームの外側、つまりベランダ塀に密着する部分となります。

本来であれば1枚のアクリル板にして景観を良くしたかったのですが、

そのサイズの板を輸送することが難しく、アクリル板を4枚に分割しています。

サンルームの両横側にも同じようにアクリル板を貼り付けます。

サンルームの突っ張りはオレンジ色部品のアジャスターで行います。

アジャスターはネジになっているので、これを伸ばすことで床と天井間で突っ張ります。

サンルーム全体としての強度を出すために隅のフレームには断面がL字型の物を使いました。

アルミフレームは用途や目的に応じて色んな形式のフレームを選べるためとても便利です。

こちらは寸法図になります。

ベランダサンルームの外寸は高さ2.5m、幅2.2m、奥行き1.1mとなりました。

次はフレームに取り付けるアクリル板を考えます。

アクリル板は透明で厚みが5mmの物を選びました。

理想的には窓にして開閉できるといいですが、風が強い場所では難しいです。

そこで風を室内に取り込む際、アクリル板を外しやすい方法で取り付けます。

アルミフレームの部品の中にオネジ付きナットというものがあります。

これをフレームに固定しておき、アクリル板に空けた穴をはめ込んでナットで固定します。

これだとナットを外してもアクリル板が落下することはなく、

また取り付ける際も板をはめ込んだ後でナットを締めれはOKです。

アクリル板の取付けと固定を同時に行うと大変ですが、

このように分けて作業できれば一人でも行えます。

アクリル板の穴位置もこの方法に合わせて設計して加工しました。

このような細かな部品やアクリル板への穴空け加工も全てメーカで準備してくれるので、

しっかり設計すれば後は組み立てるだけで作れます。

ちなみにアクリル板とフレームの位置は別のCADを使って寸法をしっかり合わせます。

(フレームとアクリル板の合わせ確認図)

(アクリル板の寸法、穴あけ位置図)

これでサンルームの設計は終了です。

4. ベランダサンルームの製作

設計が終了すれば後はメーカに手配します。

納期は手配する部品でも変わりますが、2週間が目安となります。

これだけのDIYですが、殆どの部品をメーカから調達出来ました。

特殊なナットやボルトなど一部の部品はホームセンター等で準備します。

また部品だけ届いても組み立て方が分からないため、

私の方で組図を作ってSさんにお渡しします。

全くのオリジナルサンルームなので最適な作り方ではないかもしれませんが、

私のわかる範囲でサポートします。

(組図抜粋:正面窓枠の組立図)

アルミフレームやアルミパイプは組み立てるだけであれば非常に簡単な材料です。

この手軽さが共同DIYを可能にしていると言っても過言ではありません。

アルミフレームの組立作業自体は六角レンチでボルトを締めるだけの簡単作業なので、

組図があれば初めてでも作ることができます。

もし間違って組み立ててしまっても外して組み直すこともできるので安心です。


(アルミフレームの組立て方法)

 アルミフレームやアルミパイプの組立ては六角ボルトを締めこむだけの簡単作業です。六角レンチ1本あれば全てを組み立てることができます。ウチの小学2年生の子供でもこの通り。誰が作っても同じように組みあがるので技術が要らず、初めての方やDIYしない人も安心して利用できます。


そして完成したベランダサンルームがこちらです。

初めに見た時にはびっくりしました。

これだけのベランダサンルームですが、組立て自体は1週間もかからなかったそうです。

サンルーム自体の固定もかなりしっかりしているようです。

周りの家でベランダの鉢が倒れる程の強風でもビクともしなかったらしいです。

5mm厚のアクリル板を使っているので、この辺りも安心です。

サンルームにはお気に入りの観葉植物を置かれて温度管理もされています。

自宅ベランダにこのような空間があると初めて見る人は驚きですね。

ちょっとした植物園のような雰囲気です。

もしSさんがご近所だったら2人でサンルームを眺めながら完成した余韻に浸りものです。

5.  さいごに

ベランダの観葉植物用サンルームDIYは如何だったでしょうか?

実際に完成したサンルームを見ると複雑な形状で市販品では手に入らないことが分かります。

しかしベランダの空間を全て使うことで無駄のない観葉植物用サンルームができました。

これがDIYの良さだと思います。

またアクリル板は簡単に外せる構造になっているので、台風時などは事前に植物を

室内に移して板を外して枠組みだけにすればあまり影響を受けません。

ただサンルームをDIYされる際は床面積が10m以上になると申請が必要となります。

また建ぺい率にも含まれるため事前に確認されて下さい。

屋外DIYはどうしても雨や日射などによる材料劣化が生じますが、

アルミフレームを使えば解決します。

しかもアルミフレームは設計にコツや経験が必要ですが、

組み立ては初めての人でも簡単にできます。

この扱いの良さがあるお陰で誰もが欲しいものを作れるようになります。

LINK YOUR DESIGNではこのような自分だけのDIY相談を受けることが多いです。

その中には確かに無理な事もありますが、作れることの方がほとんどです。

それはアルミパイプやアルミフレームの設計の自由度の高さや部品種類の豊富さ、

初めてでも扱える作業性の良さがあるためです。

基本的には六角レンチでボルトを締めるだけで組み立てできます。

特別な技術や道具は必要ありません。

もしDIYしたい物や欲しい物があればチャレンジしてみては如何でしょうかね?

分からない点や不安な事があればLINK YOUR DESIGNから気軽に聞いてください。

この記事が皆さんの参考になれば幸いです。


アルミフレームやパイプを使ったDIYを一緒にしてみませんか?

 DIYする時間や工具がない

 普段DIYをしないので自信がない

そんな方にも安心で手間がかからず欲しい物が手に入る共同DIYです。

一人で考えるよりも複数人で考えた方がよりいいアイデアも生まれます。

まず設計や構想は御自分で考えて欲しいものをイメージしてください。

もし自分で加工から組み立てまでされる方は必要に応じてアドバイスを致しますし、

手間な部品手配や加工をしたくない方はこちらで実施して組み立てる状態の部品を

お送りすることもできます。

初めて使う材料で不安な方も安心してチャレンジすることができますよ。

気に入った物が見つからない場合は試してみては如何でしょうか?

サポートやアドバイスは無料で実施しているためできる事、できない事があります。

詳しいサポート内容や進め方はこちらで説明しています。

Link Your Design

またこの材料を簡単に入手したい人向けの

サービスも実施しています。

1日以内にSUS社製商品のお見積り

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ホームセンターで入手できない部品も

こちらだと簡単に入手できます。

 「フレームラボショップ

これまでのサポート事例はこちら。

 「サポート事例集

より詳しくアルミフレームやアルミパイプを知りたい方は動画で実物を使った説明や

実際にDIYしている様子を見ることができます。

フレームキャンパス





サンルームやテラス屋根や関連する共同DIY事例などはこちらからご覧ください。

アルミパイプを初めて使われる方ばかりですが、皆さん無事に完成されています。


(洗濯物を干すサンルームをDIY)

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(隙間スペースを屋根付き自転車小屋に有効活用)

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(自転車置き場にも最適!後付けテラス屋根を共同DIY) 

木製のテラス屋根が古くなったためアルミパイプと波板を使ってテラス屋根を共同DIYしました。幅3m、奥行き8m、高さ3mのテラス屋根で地面には芝生、壁は緑で目隠しをした隠れ家的な空間です。私も欲しいと思うほどの快適空間が実現。初めてアルミパイプを扱う方ですが、立派なテラス屋根を作られています。

(カーポートと既設屋根の間に屋根をDIY)

カーポートと既設屋根の間に隙間があり、雨で濡れてしまいます。そこでアルミパイプを使って屋根を新たに追加することになりました。しかしカーポートと既設屋根は高さが異なるため斜めになってしまいます。このような場所でもアルミパイプであれば簡単に作ることができます。

(ポリカ板とアルミフレームでカーポート隙間屋根を共同DIY)

カーポートと壁の間に隙間があり雨が入り込むため、ポリカ板とアルミフレームで隙間屋根を共同DIYしました。幅700mm、長さ3,300mmの屋根を2枚のポリカ板を貼り合わせて作ります。屋根には傾斜を付けて雨水を一か所に流します。これで雨が降りこむことなく快適に車に乗ることができますね。

(釘やノコギリ不用!?アルミフレームでウッドデッキをDIY)

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(費用3万円!? 2Fベランダにテラス屋根をDIY)

アーネストワン住宅の2Fベランダにテラス屋根をDIYしました。この窓の上には軒もなく日差しや雨が容赦なく部屋の中に入ってきます。そこでアルミパイプと波板で幅3m、奥行き1.5m、高さ2.5mのテラス屋根をDIYしました。特殊な工具不要でたった1日で作れる初心者向けのDIYです。

(屋上に雪除け屋根をポリカ板で共同DIY)

 屋上の縁に雪が積もらないように逆勾配のポリカ屋根を共同DIYしました。幅が10mもある長い屋根で、先端を90度曲げで屋根の下にも雪が入らないように考えました。アルミフレームで枠組みを作って、そこにポリカ板を設置します。ポリカ板を取り付けるにはアルミフレームが使いやすくて最適です。


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