(共同DIY)アルファードに車中泊用2段ベッドを自作


1. はじめに

フレームDIYラボではアルミフレームやアルミパイプを使ったDIYを紹介していますが、

興味がある人と一緒にLINK YOUR DESIGNという共同DIYも行なっています。

これは実際にアルミフレームやパイプを使ったDIYを一緒に協力しながら行う活動です。

アルミフレームやアルミパイプはとても便利な材料で木材にはない優れた特性がありますが、

普段身近にないため使い方がわからないという欠点があります。

そこでアルミフレームやアルミパイプの使い方や選定、設計などをアドバイスしながら

初めての人でも安心してDIYできるようにするものです。

これまで行なってきた共同DIYの様子はこちらから見る事ができます。


(共同DIYサポート事例集)

アルミパイプやアルミフレームを使ってみたいという方と一緒に共同DIYを行っています。これらの材料はとても便利ですが入手性の悪さからあまり知られていません。そのため部品選定や使い方、加工、組立方法など初めての人はわかりにくいです。そこで共同DIYでは誰もが扱えるようにサポートしています。


今回は北海道のAさんでアルファードに車中泊用2段ベッドをDIYしたいという内容です。

Aさんには子供が二人いらっしゃるため親子4人で快適に車中泊ができるように

アルファードにフラットな2段ベッドを作りたいということでした。

車中泊は私も趣味で楽しみますので、気持ちはよく分かります。

Aさんは家族みんなでできる車中泊を考えられており楽しそうですね。

私の場合、子供が大きくなったので家族全員というのはできなくなりました。

子供が小さい時しかできない楽しみ方なので是非希望されるベッドを作って欲しいですね。

これまで10車種以上、合計30台ほどの車中泊ベッドを作ってきましたが、

アルミフレームやアルミパイプは最適な材料です。


(アルミフレームやG-funを使った車中泊ベッド まとめ)

車中泊ではベッドが重要で特に凹凸があるとぐっすり眠れません。そんな場合は車中泊ベッドを自作するのがオススメ!ここでは車中泊ベッドを作るポイントを説明しており、初めてDIYする人でも失敗しない作り方を実績を踏まえて紹介しています。誰でも車中泊ベッドを作ることができますよ。


またアルミパイプを使えば折り畳み式の2段ベッドを作ることもできます。

しかもベッドの脱着も5分でできてとても簡単な作りです。

今回はAさんと一緒に家族が楽しめるアルファード 車中泊用ベッドを作ります。




2. アルファード 車中泊2段ベッドのポイント

Aさんの友人の方が同じアルファードの車中泊ベッドをDIYされており、

その時の図面をいただきました。

これをベースにAさんオリジナルの2段式フラットベッドを考えます。

車内でベッドに使えるスペースは幅1,200mm、奥行き2,000mm、高さ500mm程度で

2列目と3列目がベッドスペースになります。

やはり私の車よりも全然広いスペースが確保できます。

車中泊2段ベッドの奥行きは下段が約2,000mm、上段が約1,200mmとなります。

上にはお子さん、下には夫婦で寝れるようなスペースを確保します。

ただこうなると問題は取り外しです。

走行中は2列目シートにお子さんが座るので、ベッドのままにはできません。

ベッドを使わない時は3列目シートに全ての部品を収納する必要があります。

しかし部品をバラバラにするとベッドの組立作業が大変になります。

出来るだけ分解せずに、それでいてコンパクトに収納出来る形が好ましいです。

車中泊ベッドを広く作ることは簡単ですが、これをコンパクトに収納することが難しいです。

Aさんの車中泊2段ベッドのポイントは次の通りです。

・親子4人が寝れる2段ベッド

・上段ベッドは取り外し可能

・走行中は車中の3列目シートに全て収納

・就寝時は簡単にベッドが作れる

・費用はなるべく抑える

なかなか難しそうな車中泊2段ベッドですが、これをAさんと一緒に作っていきます。

3. アルファード 車中泊2段ベッドの設計

3.1 車中泊2段ベッドの構想

まずはアフファード 車中泊ベッドを作るための材料を考えます。

車中泊ベッドではアルミフレームもアルミパイプも両方使うことができますが、

費用の面から今回はアルミパイプを使うことにしました。

この材料はホームセンターなどでは取扱いがないため普段目にすることはありませんが、

企業や工場などでは一般的によく使われる材料です。


(アルミパイプの特徴)

家庭DIYで利用する金属パイプにイレクターパイプがあります。アルミパイプも同様な用途で利用できますが、イレクターパイプよりも優れた特徴がいくつもあります。ここではイレクターパイプとの比較やアルミパイプの種類について、詳しく紹介しています。


今回は使用する材料が多いので単価が安いアルミパイプが向いています。

またアルミパイプはジョイントして長くする事もできるため、

ベッドの長手方向を分解するときはこの部品が利用できそうです。

車中にベッドを設置する時、床に凹凸があるため高さを調整する必要があります。

これもアルミパイプであれば簡単にアジャスターを付けることができるため適しています。

3.2 アルファード 車中泊2段ベッドの設計

アルミパイプは専用の3D CADがあり、これで設計することができます。

これを使う事で作る前にどのような物に仕上がるかを様々な角度から見る事ができます。

共同DIYではこのCAD図を元に相談者と話を進めています。

このCADについてはこちらで詳しく動画を使って紹介しています。


フレーム、パイプの3DCAD設計)

アルミフレームやアルミパイプには専用の3DCADが無料で提供されています。そのためこれを使えば作る前に色んな角度から見ることが可能となり、設計ミスが少なくなります。さらに部品の長さや種類、数なども自動で計算してくれるので部品手配ミスや加工ミスも低減することができます。


Aさんと検討を重ねて設計した車中泊2段ベッドがこちらになります。

私はアルミパイプやフレーム部品は準備できますが、ベッド板材料までは準備できません。

そのためAさんと分担し、ベッド板はAさんの方で準備してもらうことにしました。

下段ベッドの足にはアジャスターを取り付けて高さ調整ができるようにしています。

車中の床には凹凸があり、水平にすることが難しいケースもあります。

しかしアジャスターがあれば各柱の高さを調整することでレベルを合わせることができます。

このようなアジャスター部品は元々アクセサリ部品として用意されています。

このような補助部品が多く選べるのもアルミパイプの良きところです。


簡単で便利なアクセサリ部品

 アルミパイプには標準のアクセサリ部品があり、その中にアジャスター足があります。これはパイプの中にナットを固定し、そこに足の付いたボルトをねじ込むことで高さを調整できる部品です。これを使った縦方向の突っ張りパイプはとても便利なのでオススメです。


上段ベッドと下段ベッドの連結部はアルミパイプどうしを繋ぐコネクタを使っています。

このコネクタはボルトを1か所締めることで2本のアルミパイプを簡単に連結できます。

後は走行時の車中泊ベッドの収納方法です。

長手方向に約2mもあるためこのままでは3列目に収納することはできません。

そのため車中泊ベッドの長手方向は長い1本もののアルミパイプを使わずに、

あえてジョイント部品を使ってアルミパイプを分割しました。

これで収納時の車中泊ベッドがコンパクトになり3列目に収納可能となります。

最後にベッド板の固定方法ですが、アルミパイプの上に直接ビスで固定すると

取外しが大変なのでプレートコネクタフラットという部品を使いました。

これはアルミパイプに取付ける部品で中にナットが組み込まれており、

アルミパイプ面と同じ高さに板などをボルトで固定できる部品です。

このようにパイプを便利に利用するための部品も豊富にあるため、色んな事ができます。

4.  アルファード用車中泊2段ベッドの製作

設計が終わればこの図面をメーカに渡して加工された部品を購入して組み立てるだけです。

アルミパイプやアルミフレームの良い点はこのように設計した図面から全ての部品や

パイプの長さなどを計算して部品リストを作成できる点です。

そのため自分で加工する手間がなく、単に組み立てるだけで作ることができます。

しかも組立てはほとんどが六角レンチのみなので特殊な工具も必要ありません。


(アルミパイプの組立て方法)

 アルミフレームやアルミパイプの組立ては六角ボルトを締めこむだけの簡単作業です。六角レンチ1本あれば全てを組み立てることができます。ウチの小学2年生の子供でもこの通り。誰が作っても同じように組みあがるので技術が要らず、初めての方やDIYしない人も安心して利用できます。


またこちらでは実際に取付作業や部品の使い方を動画で紹介しています。

アルミフレームを使った車中泊ベッドなども見ることができます。


(動画で学ぶ! フレームキャンパス)

アルミフレームやアルミパイプの基礎から応用まで動画を見ながら学びませんか?ここではアルミフレームの特徴や加工方法、3D CADの使い方、各種部品を使った応用まで幅広く動画で説明しています。アルミDIYの基礎から学んだり、自分の興味ある部品だけ確認のために見ることもできます。初めて扱う方でも安心して利用できることを心がけて動画を作成しています。


こちらが実際にAさんが組み立てられたアルファード 車中泊用2段ベッドです。

まずは2段ベッドを取付けない様子がこちらです。

かなり広いスペースが確保されており、2,3列目が完全にフラットベッド化しています。

この写真では少し見えづらいのですが、ベッド板には2段ベッドを取付ける穴があります。

こちらが2段ベッドを取付けた様子です。

本来2段ベッドの足をもっと外側に寄せて中央のスペースを確保したいと考えていましたが、

強度的に弱くなるので安全を優先させて止めました。

2段ベッドは天井が少し近いものの、子供二人は寝ることができそうです。

ベッドの使い方は自由で2段ベッドの取り外しは六角レンチのみで行えます。

そのため家族で使用する際は2段ベットを使い、もし一人で利用する場合は2段ベッドを

外して広いスペースでくつろぐこともできます。

また大きな荷物を載せることもできるので自転車などを運ぶ際は便利かもしれませんね。

最後に走行時に車中泊ベッドを3列目に収納している様子です。

2列目シートは元に戻して3列目シートだけを倒してそこに重ねて収納しています。

こうすれば家族4人が乗車できてベッドを使う時にシートを倒して組み立てればOKです。

運転席と助手席はそのままなので急な事態にはすぐに車を動かすこともできます。

車中泊用フラットベッドは当然ベッドとして使いますが、

大きな物を積載することもできるので色んなシーンに利用できます。

5.  さいごに

アルファードの車中泊用2段ベッドのDIYは如何だったでしょうか?

最初は漠然としたイメージでそれを手書きしたスケッチでしたが、

お互いに相談や検討を重ねて、最終的には望むようなベッドを作ることができました。

普段DIYをしなかったり、アルミパイプやフレームを使ったことがない場合、

本当に作れるかどうか不安があると思います。

しかし一緒にお互いのできることを持ち寄ってチャレンジすることで

一人では諦めていたDIYができるようになります。

これが共同DIYLINK YOUR DESIGNの良い点だと思います。

世の中には色んな物が販売されていますが、

本当に自分が欲しいと思う物はなかなかありません。

そんなときはDIYでチャレンジしてみては如何でしょうか?

最初はみんな初心者ですが、少しずつ作業に慣れていけば色んな物が手に入りますよ。

この記事か皆さんの参考になれば幸いです。


アルミフレームやパイプを使ったDIYを一緒にしてみませんか?

 DIYする時間や工具がない

 普段DIYをしないので自信がない

そんな方にも安心で手間がかからず欲しい物が手に入る共同DIYです。

一人で考えるよりも複数人で考えた方がよりいいアイデアも生まれます。

まず設計や構想は御自分で考えて欲しいものをイメージしてください。

もし自分で加工から組み立てまでされる方は必要に応じてアドバイスを致しますし、

手間な部品手配や加工をしたくない方はこちらで実施して組み立てる状態の部品を

お送りすることもできます。

初めて使う材料で不安な方も安心してチャレンジすることができますよ。

気に入った物が見つからない場合は試してみては如何でしょうか?

サポートやアドバイスは無料で実施しているためできる事、できない事があります。

詳しいサポート内容や進め方はこちらで説明しています。

Link Your Design

またこの材料を簡単に入手したい人向けの

サービスも実施しています。

1日以内にSUS社製商品のお見積り

提出しています。

ホームセンターで入手できない部品も

こちらだと簡単に入手できます。

 「フレームラボショップ

これまでのサポート事例はこちら。

 「サポート事例集

より詳しくアルミフレームやアルミパイプを知りたい方は動画で実物を使った説明や

実際にDIYしている様子を見ることができます。

フレームキャンパス





これまで共同DIYで行ってきた車に関係するDIY事例です。

車中泊用ベッドやトラックのカバーなど様々な物が作れますよ。


(ステップワゴンで快適車中泊!全面フラットベッドをDIY)

アルミフレームを使ってステップワゴンの後部座席に全面フラットベッドをDIYしました。元々シート間などに段差がありクッションで埋めていましたが、このベッドを自作してから快適さが違います!しかも簡単に後部座席を起こすこともできるので子供を載せて親子旅が楽しめますよ。

(プリウスα車中泊ベッドDIYで驚きのスペース!)

アルミフレームを使ってプリウスαに車中泊ベッドをDIYしました。運転席はそのままに残りのシートを全てフルフラットベッドにしています。かなりのスペースが確保できて大人二人でも十分寝れます。さらに助手席は2.5mほどのスペースもあり、サーフボードなども積み込めます。

(ダイハツムーブを全面車中泊ベッドにDIY)

ダイハツムーブで快適に車中泊できるフラットベッドをDIYしました。ハンドル以外全てフラットベッドになるため、2人で寝てもこの広さ!本来はシートの凹凸があって辛かった車中泊が快適に過ごせます。走行時はヘッドを後部座席に分解収納できて、5分もあればベッドが作れる便利な構造となっていますよ。

(ホンダフリードに車中泊で便利な車載テーブルをDIY)

ホンダフリードに車中泊でも使える車載テーブルをアルミパイプでDIYしました。テーブルの高さを調整できて、スライドテーブルも付いています。電子レンジや重い荷物を載せられるように15kg以上の耐荷重もあります。就寝する際はテーブルの下に足を伸ばせるためとても快適に利用できます。

(コースターに車中泊用2段ベッドを共同DIY)

トヨタ製コースターの車中に2段ベッドを共同DIYしました。大人が寝るベッドなのでベッド自体の強度と車中での固定強度が必要となります。更に通路を遮るようにベッドを設置するため、通行できるような仕組みも必要です。そこでアルミフレームを使って強度があって通行可能なベッドを作っています。

(キャンター トノカバーを共同DIY)

アルミフレームを使ってキャンターの荷台にトノカバーを共同DIYしました。カバー材にはアルミ縞板を使い、その枠組みをアルミフレームで作ります。カバーは左右に羽のように開き、ダンパーを使って開けた状態で保持できるようにしました。こんなカッコいいカバーをDIYで作れるから驚きです。

(キャンターのフラットベッドを共同DIY)

大阪在住のMさんからキャンターで車中泊できるフラットベッドを製作したいとの相談がありました。そこでアルミパイプとパーティクルボードで折りたたみ式のベッドを共同DIYしました。Mさんに車内寸法を計測してもらい私がベッドを設計します。途中、パイプが長すぎる問題が発生しましたが、パイプの加工方法をお知らせすることで解決して無事にベッドが完成です。

(軽トラのトノカバーを共同DIY)

仙台市在住のKさんから「LINK YOUR DESIGN」よりお問い合わせいただいた軽トラのトノカバーをアルミフレームを使って共同DIYしました。Kさんにカバーの取付方法や寸法の確認をお願いし、私が設計、部品選定を行うことで希望されるトノカバーが完成!一人で作るよりも良いものができますよ。

(モビリオの車中泊用ベッドを作ろう)

私は子供と一緒に車中泊するのが趣味です。これまでも色んな場所へ行ってきました。しかし子供が大きくなり車中で寝るのが難しくなってきたので、アルミフレームを使ってフラットベッドを作りました。このスペースがあれば子供二人連れての車中泊も全然大丈夫です。

(スズキアルトに2mの車中泊ベッドをDIY)

スズキアルトに2mの長さがある車中泊用フラットベッドをアルミフレームでDIYしています。このベッドは共同DIYで私が設計や加工を担当し、離れて住む友人が車中で組立てを実施しました。アルミフレームは設計や加工に経験が必要なものの、組立てはとても簡単で誰でもすぐにできます。


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