1. はじめに
フレームDIYラボではアルミフレームやアルミパイプを使ったDIYを紹介していますが、
興味がある人と一緒に「LINK YOUR DESIGN」という共同DIYも行なっています。
これは実際にアルミフレームやパイプを使ったDIYを一緒に協力しながら行う活動です。
アルミフレームやアルミパイプはとても便利な材料で木材にはない優れた特性がありますが、
普段身近にないため使い方がわからないという欠点があります。
そこでアルミフレームやアルミパイプの使い方や選定、設計などをアドバイスしながら
初めての人でも安心してDIYできるようにするものです。
これまで行なってきた共同DIYの様子はこちらから見る事ができます。
アルミパイプやアルミフレームを使ってみたいという方と一緒に共同DIYを行っています。これらの材料はとても便利ですが入手性の悪さからあまり知られていません。そのため部品選定や使い方、加工、組立方法など初めての人はわかりにくいです。そこで共同DIYでは誰もが扱えるようにサポートしています。
今回のご相談は販売ブースをアルミパイプでDIYしたいという内容です。
こちらはAqua dropsさんというアクセサリーを個人で製作、販売されている方です。
販売されているアクセサリーを見ると、本格的でカッコイイ!
この方はネット販売だけでなく東京ビックサイトなどで行われるフェスタなどにも
出店されていて、個人とは思えないほど活躍されています。
相談内容はフェスタで出店する際に使うブースを作りたいとの内容でした。
私自身どんなものか最初は想像できませんでしたが、
完成した物を見ると副業で露店物販される方にもぴったりかもしれません。
さあ、どのようなブースが完成したのかご覧下さい。
2. 販売ブース 相談内容
出店ブースと言われても馴染みがないかと思います。
例えばフリーマーケット等で副業されている方はご存知かもしれません。
正直、初めて聞いた時にはどのようなものか私もわかりませんでした。
ハンドメイドのフェスタに行ったことがないので教えてもらったのですが、
出店側はスペースが割り当てられており、その中で販売するようになっています。
そこで単に机などを持ち込んで商品を陳列してもいいのですが、
それでは目立たず商品の世界観も伝わりません。
そこで張りぼてや木材などで簡易的なお店を作って通る人を引きつけます。
このようなブースはフェスタ主催者側からレンタルする事までできますが、
費用も高く自由なアレンジがしにくいためこれを自分で作りたいという相談でした。
共同DIYをしていると皆さんのアイデアやアルミの用途の可能性をいつも教えられます。
ただこちらのDIYはこれまでのように作った後はそのまま使う物ではなく、
使用のたびに組立、分解を繰り返し行い、しかもブース形状も毎回変わります。
たしかにこれを木材で作ろうとするとかなり難しいですが、
アルミパイプを使えば簡単に作れそうです。
やはり普段から物作りをされている人はアイデアが具体的かつ的確です。
3. 販売ブースの詳細内容
この販売ブースに求められるポイントは次の通りです。
販売ブースサイズの調整が可能であること
フェスタ会場によって出店者に与えられる販売ブーススペースは異なっていて、
常に同じではないとの事です。
もしもブース形状やサイズを固定してしまうと使い回しができません。
そのため会場によってブースサイズや形状を自由に変更できる柔軟性が必要となります。
材料の長さを160cm以内に収まる事
出店の際、道具は運送業者に依頼して運ぶようですが、運送サイズに制約があります。
佐川急便などは160cm、ゆうパックは170cmとなっているため、
これを超えるサイズは発送できません。
そのため部品をなるべく短くして発送できるサイズに収める必要があります。
販売ブースが倒れたりぐらついたりしない事
依頼された販売ブースサイズは約2×2×2m と比較的大きなものです。
本来であればアンカー固定や周囲の物に抱き合わせで固定したいのですができません。
しかもアクセサリーを展示するためお客さんがよく触れてしまうため、
安定感がないと不安に思われてしまいます。
販売ブース内に机や壁掛けが自由に作れる事
アクセサリーを陳列するための机や壁掛けなどが必要でその都度アレンジしたいとのこと。
ただ商品自体は軽いためそれほど強度は必要なさそうです。
手軽な工具で簡単に組み立てられる事
フェスタでは開催前日に商品や道具を搬入して準備をして、
最終日の夜に撤収作業を行うとの事です。
このブースも現地で組立、分解するため特殊な工具を使わず簡単に作業できる事が必要です。
今回も色々と教えてもらって大変勉強になりますね。
田舎に住んでいるためこのようなフェスタが身近になく、全く初めての内容でした。
話を聞いていると学生時代の文化祭を思い出しなんだか楽しそうです。
早速、これらを満足する販売ブースを設計していきます。
4. 販売ブースの設計
4.1 販売ブースの材料選定
今回のDIYで使用する材料にアルミパイプを選びました。
アルミパイプは金属のアルミでできたパイプで様々な太さや強度が選べるのが特徴です。
しかしホームセンターなどでは取扱いがないため普段目にすることはありませんが、
企業や工場などでは一般的によく使われる材料です。
家庭DIYで利用する金属パイプにイレクターパイプがあります。アルミパイプも同様な用途で利用できますが、イレクターパイプよりも優れた特徴がいくつもあります。ここではイレクターパイプとの比較やアルミパイプの種類について、詳しく紹介しています。
アルミパイプの特長と今回の要求事項を考えるとそれがよくわかります。
販売ブースサイズを変更できる
アルミパイプはパイプどうしを繋げて延長できるためブースサイズを変更できます。
材料の長さを160cm以内に収める
アルミパイプを短くしておき、現地で延長して長くすることで解決できます。
販売ブースがグラグラしない
アルミパイプのアクセサリー部品でパイプスタンドという部品があります。
これを使うことで設置面積が広くなり、さらに重りの載せることでさらに安定します。
販売ブース内に机や壁掛けを作れる
コネクタを使えばアルミパイプどうしを連結できるので机などを好きな位置に作れます。
手軽な工具で簡単に作業できる
コネクタによるパイプの連結はボルト1本を締めるだけの作業で
使用する工具は六角レンチ1本のみです。
このようにアルミパイプは今回の要求事項を全て満足する材料です。
そのためこの材料で販売ブースを設計します。
4.2 販売ブースの設計
アルミパイプの設計では専用の3D CADを使うことができます。
これを使う事で作る前にどのような物に仕上がるかを様々な角度から見る事ができます。
共同DIYではこのCAD図を元に相談者と話を進めています。
このCADについてはこちらで詳しく動画を使って紹介しています。
アルミフレームやアルミパイプには専用の3D CADが無料で提供されています。そのためこれを使えば作る前に色んな角度から見ることが可能となり、設計ミスが少なくなります。さらに部品の長さや種類、数なども自動で計算してくれるので部品手配ミスや加工ミスも低減することができます。
こちらが実際に設計した販売ブースとなります。
これはデザインフェスタでの出店販売ブースとなります。
上の枠には出店ブース番号とお店の名前が載るようですね。
奥に見えるのは商品を陳列するテーブルの枠組みです。
この上に板を載せて固定すればちょっとしたテーブルが出来あがります。
こちらは寸法図です。
組立てた状態では約2×2×2mですが、実は600mmのパイプをつないで延長しています。
さらに販売スペースが変わってもパイプの組み合わせを変える事で
形状を自由にアレンジできるようになっています。
やはり単にパイプを立てるだけでは安定しないため、
このような部品を使う事で床への設置面積を増やして安定にします。
ちなみにこのスタンドには穴が空いているのでアンカー固定や地面であれば
杭を打ち込んで固定できます。
またこちらのブースには商品を陳列する机や看板を掛ける部分も設けています。
こちらも自由に取り外しや位置変更ができるため販売方法に合わせてアレンジ可能です。
最後にアルミパイプの組み立てはとても簡単で使う工具は六角レンチのみです。
基本的な作業はボルトを締めたり、緩めたりするだけで初めて触る人でも直ぐにできます。
この作業性の良さもアルミパイプのメリットです。
アルミパイプやフレームの組立方法はこちらで紹介しています。
アルミフレームやアルミパイプの組立ては六角ボルトを締めこむだけの簡単作業です。六角レンチ1本あれば全てを組み立てることができます。ウチの小学2年生の子供でもこの通り。誰が作っても同じように組みあがるので技術が要らず、初めての方やDIYしない人も安心して利用できます。
5. 販売ブースの完成
相談者の方と相談しながら設計が終わり部品を手配します。
購入される部品はメーカから自宅まで直送され、5,000円以上の場合は送料無料です。
例え4mのアルミパイプや重量物を購入した場合も送料無料なので大変便利です。
また相談されるほとんどの方はアルミパイプを初めて触られるため、
私の方で組図を作成してどこに何の部品を使うかを事前にお知らせしています。
そして完成したブースがこちらです。
これは2019年6月に開かれたワークショップでの写真です。
Aqua dropsさんは大人気ショップらしくトイレにさえなかなか行けない程の大盛況で
写真もかろうじて1枚だけ撮っていただきました。
またこちらは2019年7月に開催された博物ふぇすてぃばるでの様子です。
出店エリアが異なるため販売ブース形状も変更されて工夫されていますね。
このように販売ブースの寸法や形状を自由に変更できるためスペースを無駄にせずに
オリジナル感もPRできますね。
相談者さんもアルミパイプの使い勝手の良さにとても満足されていました。
6. さいごに
自由に形をアレンジできる販売ブースのDIYは如何だったでしょうか。
最近では副業を兼ねて自分で作った商品を販売したり路上店売をされる人も増えていますが、
そのような場合にも利用できるブースだと思います。
今回は屋内販売なので屋根は不要でしたが、
パイプにリングを通してカーテンを作ったり屋根も作る事が出来ます。
例えば簡易的な試着室や飲食店のテーブルやイス、移動販売車の日よけや飲食スペースなど
アイデアしだいで色んな物に応用可能です。
しかもこれらの組み立てが六角レンチでボルトを締めるだけの作業です。
組み立てにも時間がかからずに特殊な工具を持ち運びする必要もありません。
もし副業などで販売ブースを検討されている方は試されてみては如何でしょうか?
この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。
アルミフレームやパイプを使ったDIYを一緒にしてみませんか?
DIYする時間や工具がない
普段DIYをしないので自信がない
そんな方にも安心で手間がかからず欲しい物が手に入る共同DIYです。
一人で考えるよりも複数人で考えた方がよりいいアイデアも生まれます。
まず設計や構想は御自分で考えて欲しいものをイメージしてください。
もし自分で加工から組み立てまでされる方は必要に応じてアドバイスを致しますし、
手間な部品手配や加工をしたくない方はこちらで実施して組み立てる状態の部品を
お送りすることもできます。
初めて使う材料で不安な方も安心してチャレンジすることができますよ。
気に入った物が見つからない場合は試してみては如何でしょうか?
サポートやアドバイスは無料で実施しているためできる事、できない事があります。
詳しいサポート内容や進め方はこちらで説明しています。
またこの材料を簡単に入手したい人向けの
サービスも実施しています。
1日以内にSUS社製商品のお見積りを
提出しています。
ホームセンターで入手できない部品も
こちらだと簡単に入手できます。
これまでのサポート事例はこちら。
「サポート事例集」
より詳しくアルミフレームやアルミパイプを知りたい方は動画で実物を使った説明や
実際にDIYしている様子を見ることができます。
これまでアルミパイプやアルミフレームでDIYした事例です。
気になるDIYがありましたらご覧ください。
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