1. はじめに
リビングでは雑誌や新聞、本が出しっぱなしになって散らかりやすいですね。
ウチの場合は子供達のプリントや提出書類などもあるのでちゃんと整理しないと
どこにあるのか判らなくなることも多々あります。
また雑誌は家族で読むものが違うので種類や量が増えて大変です。
そこで雑誌やプリントなどコンパクトに収納できる大容量マガジンラックをDIYします。
2. 本棚にも使える大容量マガジンラックのコンセプト
リビングに置く大容量マガジンラックを作るにあたって次のことを考えました。
雑誌が見やすく探しやすい
本や大きいファイルも収納可能
家族4人分がそれぞれ別れている
収納場所を取らない
リビングに置くので収納場所を取らず、雑誌をパッと見つけやすいものがいいですね。
また雑誌以外にも子供のプリントや提出書類なども分類して保管できるようにしたい。
そこでアルミパイプを使って回転するマガジンラックをDIYしてみます。
また折角なので雑誌だけでなく、家族4人分の小物も収納できる複合ラックを目指します。
アルミパイプの部品には回転したりスライドする可動部品があります。
今回利用するのは回転部品のヒンジコネクタと呼ばれる部品です。
これは回転式乾燥スタンドでも利用した部品で、実際に回転する様子が見たい方は
「回転式乾燥スタンドをDIY」に動画があります。
アルミパイプどうしを連結する部品がコネクタです。コネクタにはたくさんの種類があり、連結方向も直角、水平、クロスなど様々な用途に利用できるようになっています。またパイプに沿って動いたり、パイプを軸に回転したりという可動できるコネクタもあります。これを利用すればDIYの幅が広がりますよ。
サンルームで検討した経験をもとに、部屋干しでもあっという間に乾かせる回転式乾燥スタンドを自作DIYしました。扇風機の風を当てると洗濯物がくるくる回転して万遍なく均一に乾かすことができます。蒸発した水蒸気も効率よく排出し、扇風機だけで乾くので電気代も10円程度で済みますよ。
アルミパイプを軸として自由に回転できて、90度間隔で別のパイプをつなげる事ができます。
回転ラックにすることで設置場所を取らず、欲しい雑誌をすぐに見つけられます。
また軸となるパイプには何個でも回転部品を取り付けられるので2個使って雑誌と小物を
それぞれ分けた2段の回転複合ラックを考えました。
次にこの構想を3D CADで図面にしてみましょう。
3. 本棚にも使える大容量マガジンラックの設計
アルミパイプを使ってDIYするときには3D CADを使って設計することができます。
これはメーカから無料で提供されているので誰でも使うことができます。
これを使えば作る前に事前に寸法や構造をあらゆる角度から確認できるため間違いが少なく、
さらにパイプの長さや部品の個数も計算してくれるので大変便利です。
アルミフレームやアルミパイプには専用の3D CADが無料で提供されています。そのためこれを使えば作る前に色んな角度から見ることが可能となり、設計ミスが少なくなります。さらに部品の長さや種類、数なども自動で計算してくれるので部品手配ミスや加工ミスも低減することができます。
3D CADを使って書いた回転式大容量マガジンラック本体の構造がこちらです。
4方向にパイプを連結した回転子を本体スタンドに2個取付けた形状です。
軸となるパイプにはΦ28のパイプを使って強度を確保して、回転子の方のパイプには
コンパクトにするためΦ19の扁平パイプを使います。
ここでポイントはΦ19パイプに扁平パイプを使うことです。
このパイプは半円のような形状で一面だけ溝加工があります。
この溝はアルミフレームと同じでフレームやブラケットを取り付けられます。
この溝にナットを入れれば色んな物を固定できるようになります。
アルミパイプは径の違いだけでなく、用途に応じて様々な種類のパイプが用意されています。
家庭DIYで利用する金属パイプにイレクターパイプがあります。アルミパイプも同様な用途で利用できますが、イレクターパイプよりも優れた特徴がいくつもあります。ここではイレクターパイプとの比較やアルミパイプの種類について、詳しく紹介しています。
本体の高さは1.4mで1段目マガジンラックはソファーに座ったまま取れる高さに調整します。
2段目の小物ラックは立った時に扱いやすい高さにします。
アルミパイプのDIYでは高さや位置を自由に調整できるので、使い勝手を確認しながら
仕上げることができます。
この絵ではただパイプが付いているだけでマガジンラックや小物入れはありません。
これは100均で購入した部品を利用するため3D CADには反映できません。
アルミフレーム、パイプは100均部品と相性がいいため多くの部品を応用できます。
私が使って便利だった100均部品はこちらにまとめています。
アルミフレームは100均と非常に相性がよく、色んな物が利用できます。構造部品だと金具や金属プレート、ヒンジや鍵などが簡単に利用できます。またアルミフレームの溝を利用してワイヤーネットやコロなどを取り付けることも可能です。ここでは実際に私が利用する100均部品を紹介しています。
予定ではマガジンラックの部分にプラスチックのファイルケースを2個ずつ取り付け、
小物入れラックにはワイヤーネットを取り付ける予定です。
次にこれを製作します。
4. 本棚にも使える大容量マガジンラックの製作
4.1 マガジンラック本体スタンド部分の製作
まずは3D CADで描いたマガジンラック本体をアルミパイプで作ります。
いつものようにアルミパイプの切断からスタートです。
アルミパイプは木材のように簡単に切断できず、使う工具や工作機によっては
キレイに切断できないことがあります。
詳しいアルミパイプの切断方法はこちらをご覧ください。
アルミフレームは木材よりも強度があるので同じ耐久性の物でもコンパクトに作れます。その反面、木材に比べて加工が少し大変で木材ほど簡単に切断できません。そこで様々な工作機やハンドソーで実際に切断して比較しました。その結果、特別な工作機は必要なく簡単に入手できるもので加工できました。
切断したパイプのリストはこちらです。
φ28アルミパイプ
・L=250mm 4本
・L=1,400mm 1本
φ19扁平アルミパイプ
・L=230mm 8本
切断したパイプを使って大容量マガジンラックの本体部分を組み立てます。
φ28のアルミパイプ L=250mm 4本をコネクタでL=1,400mmのパイプに連結します。
この4本のL=250mmパイプが足となって倒れないようになります。
必要であれば補強のコネクタを入れて強くすることもできます。
コネクタ連結は六角レンチでボルトを締めるだけの簡単な作業です。
アルミパイプの利点は組立てが簡単ですぐにできることが挙げられます。
ほとんどの作業が六角レンチ1本で簡単に行えるからです。
これで本体スタンド部分は完成です。
アルミフレームやアルミパイプの組立ては六角ボルトを締めこむだけの簡単作業です。六角レンチ1本あれば全てを組み立てることができます。ウチの小学2年生の子供でもこの通り。誰が作っても同じように組みあがるので技術が要らず、初めての方やDIYしない人も安心して利用できます。
4.2 上下段回転ラックの製作
次に上下段の回転ラック部分をそれぞれ製作します。
こちらは回転部品のヒンジコネクタにΦ19扁平パイプを4本取付ければ完成です。
このように直径の異なるパイプを連結して一緒に使える点が良い所で、同じパイプ部品である
イレクターパイプにないメリットです。
上段の小物入れになる回転子は扁平パイプの溝が横にくるように取付けます。
下段の本棚となる回転子は扁平パイプの溝が上にくるように取り付けます。
このように扁平パイプの向きを変える理由は後程説明します。
4.3 下段本棚ラックの製作
次に下段の回転子に本や雑誌を整理するマガジンラックを作ります。
マガジンラックで使用するのは100均で購入したファイルケースと金属プレートです。
まずは長い金属プレートを卍型になるように扁平パイプに固定します。
本や雑誌は重量があるため扁平パイプの上に載せて保管するため溝加工が上を向きます。
次にファイルケースを2個並べて底面に金属プレートを当ててボルトで締め込み固定します。
このファイルケースは強度がなく、重たい雑誌を入れると前方にたわんでしまうので
先程取り付けた長い金属プレートで下から受けて支えています。
ファイルケースはプラスチック製なので強くボルトを締めると割れるので注意が必要です。
これを4面全てに取付ければ2段目のマガジンラックは完成です。
4.4 上段小物入れラックの製作
次に上段の回転子に小物を整理する小物入れラックを作ります。
小物入れで使用するのは100均で購入したワイヤーネットとカゴ類です。
ワイヤーネットを金属プレートで挟み込んでアルミパイプにボルトで固定します。
ワイヤーネットは縦に使うため扁平パイプの溝加工は横向きになります。
小物入れラックの4面とも固定するとこのようになりました。
このように扁平パイプは溝加工面が上下左右どの向きでも固定できるのでとても便利です。
何をどのような方向に取付けるかによって自由に変えることができます。
4.5 回転子(上下段)の取付け
上下段の回転子を作ったら最後にこれらをマガジンラック本体スタンドに取付けます。
取付方法は単に本体スタンドの中央パイプに回転子のコネクタを挿入すればOKですが、
そのままでは回転子が下に落ちてしまうのでストッパーを先に入れておきましょう。
まずは下段の本棚ラックを取り付けました。
そして上段の小物入れラックを取り付けます。
最後に上段の小物入れラックにカゴやフックをお好みで取り付ければ完成です。
完成した回転式大容量本棚がこちらです。
上段にはちょっとした小物が置けるスペースで下段は雑誌や本が置けるようになっています。
上下段とも4面あるので4人家族にはぴったりですね。
上下とも自由に回転させることができるのでとても使いやすくなっています。
5. 本棚にも使える大容量マガジンラックの完成
実際に出来上がった大容量マガジンラックに雑誌やファイル、小物を保管してみます。
下段の本棚ラックはファイルケース8個分の収納量で縦に大きい雑誌も十分保管できます。
補強用の金属プレートをケース下に入れているので重い雑誌を複数収納しても大丈夫です。
もしたわみが気になる場合は金属プレートの代わりに木材で受け板を作ってもOKです。
実際に40冊程度の雑誌や本を置いていますが、ちゃんと回転して落ちる感じもありません。
強度的に見るとファイルケース2個に約2.5kgほどの重量まで耐えることができます。
そのため全体では10.0kgほどの本(40~50冊)を収容できるようになっています。
上段の小物入れラックはこんな感じです。
携帯や財布、鍵、手袋、メガネ、名札など日常使用するものをここに置いて
すぐにわかるようにしています。
特に子供の名札や手袋は登校直前に慌てて探すことが多いので助かります。
ここは何を置きたいかによって自由に収納スペースや方法をレイアウトできるので
お好みの収納を作ることができますよ。
この大容量マガジンラックの一番の特徴は自分で好きなレイアウトが作れる点です。
私は本棚と小物入れの2段にしましたが、雑誌が多い人は2段とも本棚してもOKです。
本体スタンドをもっと長くすれば3段、4段も可能です。
ここまですれば雑誌や本を100冊以上の収納できるので立派な本棚になります。
使い方やそのシーンに合わせて自分で好きなラックを選んで作ることができます。
しかもラックが回転するため雑誌や物が取りやすくスペースも無駄にしません。
最後のこのように便利なアルミフレームやパイプの購入方法ですが、
実はホームセンターなどではほとんど販売されていません。
一般的にはミスミやモノタロウといったweb商社を経由して購入できますが、
個人購入はなかなか難しいかもしれません。
しかも自分で必要な部品の長さや種類、数量を調べてそれぞれ注文するので
手配するのも大変です。
しかし「LINK YOUR DESIGN」を利用すればメルカリなどを使って
手軽にアルミフレームやアルミパイプを購入することができます。
しかも既に設計されて必要部品の種類や数量がまとまった部品リストが手に入り、
注文も一括で一回で済みます。
詳しい内容はこちらをご覧ください。
アルミフレームやパイプの欠点は入手性の悪さです。ホームセンターでは販売されておらずほとんどネット販売のみです。一般的にはミスミやモノタロウなどのweb商社経由で購入しますが、個人では難しいです。しかしメルカリなどでも購入でき、必要部品を一括購入できる方法がここにはありますよ。
もし雑誌や本が多くて整理でお困りの方はチャレンジしてみては如何でしょうか?
この記事が皆さんの参考になれば幸いですね。
アルミフレームやパイプを使ったDIYを一緒にしてみませんか?
DIYする時間や工具がない
普段DIYをしないので自信がない
そんな方にも安心で手間がかからず欲しい物が手に入る共同DIYです。
まず設計や構想は御自分で考えて欲しいものをイメージしてください。
もし自分で加工から組み立てまでされる方は必要に応じてアドバイスを致しますし、
手間な部品手配や加工をしたくない方はこちらで実施して組み立てる状態の部品を
お送りすることもできます。
サポートやアドバイスは無料で実施しているためできる事、できない事があります。
詳しいサポート内容や進め方はこちらで説明しています。
またこれまでのサポート事例はこちら。
「サポート事例集」
これまでアルミパイプやアルミフレームで製作した作品はこちらです。
アルミフレームを使ってキッチンに壁収納を作りました。壁を傷付ける事なく、アルミフレームを突っ張り棒のように固定して他の部品を組み立てていきます。アルミは燃えないので火の回りで使っても安心。しかも100均部品を利用したからくりがあります。右の写真でテーブルがありますが、どこか判りますか?
住んでいる家の洗面室がとても狭く、家族4人分の着替えや洗剤などを置く収納場所がありません。そこでアルミフレームを使って洗濯機の上やちょっとしたスペースを有効的に利用できる収納棚を作りました。市販品の棚だとどうしても無駄なスペースが出来ますが、自分で設計して作れば最適。しかも100均を利用して費用も抑えました。
住んでいる賃貸住宅には軒や屋根がなく、洗濯物を干したり自転車を雨から避ける場所がありません。そこでアルミパイプを使って幅4mもあるテラス屋根を作りました。特徴は壁を傷付けたりコンクリートを使用せずにいつでも元に戻せること、目隠し壁まで取り付けても費用は4万円台という点です。
うちでは何故か長男だけが花粉症です。そのため花粉の季節になると目を赤く腫らして微熱が出るので辛いです。そこで洗濯物を干すためのサンルームをアルミフレームで作ってみました。大きな扉も付けて布団も干せます。ところがサンルーム内の温度は確かに上がりましたが、洗濯物が乾かない!?そこにはサンルームの落とし穴がありました。
今の賃貸部屋は間取りがとても悪く、リビングに入る扉を開けるとキッチンが全部見えてしまいます。キレイな時は問題ありませんが、そうでないと大変。そこでキッチンを丸ごと囲う目隠しカーテンをアルミパイプで作りました。パイプを突っ張り棒のように使えば、どんな場所にでもカーテンや壁、扉を作ることができますよ。
サンルームで検討した経験をもとに、部屋干しでもあっという間に乾かせる回転式乾燥スタンドを自作DIYしました。扇風機の風を当てると洗濯物がくるくる回転して万遍なく均一に乾かすことができます。蒸発した水蒸気も効率よく排出し、扇風機だけで乾くので電気代も10円程度で済みますよ。
高さ2mもあるパントリーには据付の棚がありません。そこで収納棚を作り、上の空間まで無駄なく利用できるようにします。ただ問題はここが賃貸住宅であること。そのため壁に直接ビスや釘は使えません。そこでパイプを突っ張り棒のようにして固定することで10kgの米袋を載せてもビクともしない棚にしました。
キッチンで食器洗いや料理をしているときにちょっとした物置き台が欲しくなります。例えばタブレットで動画を見たり、ボウルや野菜などの材料をちょっとだけ置くなど。そんなときに便利な可動式物置き台をアルミパイプでDIYしました。この台はスライドして自由に動かせるので作業する場所でいつも使えます。
賃貸住宅のキッチンのシンク回りが狭くて作業がとてもやりずらい。食洗機が付いておらず食器カゴを使ってますが、これがシンクの上で場所を取ります。そこで食器カゴをシンクタンクの上に置ける台をアルミフレームでDIYします。水にぬれても錆びない材料なので水回りにピッタリです。
スズキアルトに2mの長さがある車中泊用フラットベッドをアルミフレームでDIYしています。このベッドは共同DIYで私が設計や加工を担当し、離れて住む友人が車中で組立てを実施しました。アルミフレームは設計や加工に経験が必要なものの、組立てはとても簡単で誰でもすぐにできます。
空いたスペースにぴったりのハンガーラックをアルミパイプでDIYしました。このラックは2段式になっていて、それぞれ高さを自由に変更することができます。上段は長男の服、下段は次男の服を掛けています。自分の好きなサイズで作れて子供の成長に合わせて簡単に調整できます。
屋外でしっかり保管できるロードバイクの車庫をアルミフレームでDIYしました。ショーケースのように完全に覆った車庫で雨風が一切入りません。出し入れが簡単なように複数の扉が付いており、この中でメンテナンスもできます。鍵を付けることもできるので防犯対策にもなりますよ。
私は子供と一緒に車中泊するのが趣味です。これまでも色んな場所へ行ってきました。しかし子供が大きくなり車中で寝るのが難しくなってきたので、アルミフレームを使ってフラットベッドを作りました。このスペースがあれば子供二人連れての車中泊も全然大丈夫です。
コメント
こんばんは。
回転式のマガジンラック、面白いですね!まるで、お店のディスプレイラックのよう。
でも、この形状どこかで見たのに似てますね笑。
リクエスト!いいですか。
このクロスの脚の形状で、カフェテーブルを作ってみてください。カフェやファーストフードにありそうな小さなテーブルの脚に似てるので、これでテーブル作ったら面白そうです(^O^)
ポーリーさん
こんばんは。
実はお店にある物をイメージして作っています。
ホントは本棚を作りたかったんですが、普通に作っても
面白くないですしね。
見たことあります??
いやいや、気のせいです・・・
変なところにツッコんではダメですよ(汗)
あの丸い形のカフェテーブルですか?
いいですよ、作りましょうか
当然、出来上がったテーブルで一緒にカフェしてくれるんでしょ??