タオルやシーツ、毛布を部屋干しであっという間に乾かす方法

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1. はじめに

「部屋干しは乾かない・・・」

「毛布やシーツは特に乾かない・・・」

「コインランドリーしか乾かない・・・」

そんな風に思われてる方は多いと思います。

しかし実はそんなことないんですよ!

部屋干しは方法によっては天気干しよりも速く乾くこともあります。

ここではタオルやシーツ、毛布など乾きにくい部屋干しが速く乾くコツを紹介します。




2.  タオルの部屋干し

部屋干しではタオルやバスタオルが乾きにくいとよく相談されます。

しかし実はタオルは乾きやすいってご存知ですか?

この方法を使えば20枚以上のタオルだって部屋干しで3時間以内に

全て均等に乾かすことができます。

毛布やシーツの部屋干しはこの延長線なのでタオルの部屋干しについて説明します。

2.1  タオルは何故乾きにくい!?

タオルは綿素材で吸水率を高めた繊維や加工形状となっています。

そのため脱水直後の含水率が35%以上と非常に高いのが特徴です。

逆に乾燥速度は他の衣類に比べて実は速い方です。

つまりタオルは乾燥速度が速いものの含水率が高いため乾燥時間が長くなっています。

またタオルにはもう1つ大きな特徴があります。

それは蒸発表面積が広いことです。

蒸発表面積とは大気に直接接触して水分が蒸発できる表面積です。

衣類に含まれる水分はこの表面積からしか蒸発できないので、

これを広くするほど速く蒸発して乾くことになります。

例えばズボンなどは外側こそ蒸発できますが内側は蒸発できず蒸発表面積に含まれません。

これに対しタオルは干し方によってほとんどが蒸発表面積になります。

すなわちタオルは乾燥速度は速いものの含水率が高いため乾きにくくなっています。

もし含水率を下げることができれば速く乾かすことができますが、実はこれができません。

以前、脱水回数を増やして含水率を測定したことがありますが、効果がありませんでした。

その時の実験結果かこちらです。


素材による含水率、乾燥速度調査

衣類の素材や形状に注目して30分毎の重量を計測しながら乾燥速度や含水率を測定しました。その結果、素材は脱水後の吸水率に影響し、衣類形状は乾燥速度に影響していました。脱水回数を増やして重量を計測しましたが、変わらない結果となっています。


そのためタオルを速く乾かすポイントは乾燥速度を最大限にすることになります。

そこで温度や湿度を最適に調整したりしますが、ここではそれ以外の方法をご紹介します。

それはタオル表面にある境膜を薄くする方法です。

2.2  境膜とは?

境膜を知るためにまずは蒸発現象について考えます。

蒸発とはタオル内部の水分がタオル表面に移動して、そこから外部に放出される現象です。

タオル表面から放出される水蒸気量が多いとタオル内部の水分移動速度も速くなり、

その結果速く乾くことになります。

タオル表面から放出される水蒸気量は外気の水蒸気圧に支配されます。

つまり外気が既に多くの水蒸気を含んでいるとタオルからの放出を抑える力が働き、

タオルから水蒸気がでにくくなります。

つまりこれが湿度が高い状態ですね。

外気の温度や湿度はこの水蒸気の量に影響を与えます。

しかしこれとは別に境膜の影響があります。

実はタオル表面では常に蒸発が起こっていて、この蒸発した水蒸気は直ぐに拡散されず

タオル表面に膜を作って覆っています。

このタオルを覆う水蒸気の膜を境膜と言います。

目に見えない霧がタオル表面にあるイメージです。

そしてこの霧も蒸発を抑える原因となっています。

このようにタオルの蒸発現象にはマクロ的要因である水蒸気圧

ミクロ的要因である境膜が関係しています。


2.3  効果的な方法とは?

乾燥速度を上げるにはマクロ的要因、ミクロ的要因を改善する必要があります。

マクロ的要因の改善方法は、

  温度を上げる

  湿度を下げる

ことです。

ミクロ的要因の改善方法は、

  風を当てる

ことです。

どちらが効果的でかつ経済的でしょうか?

それは後者の風を当てる事です。

これは日常の体験からも想像できます。

例えば暑い日に涼しくする方法としてクーラーと扇風機があります。

クーラーは室温よりも低い温度の空気を作り出しそれを当てて体を冷やします。

肌は冷たい空気に熱を奪われ涼しくなります。

では扇風機はどうでしょう?

扇風機の風は室温と同じなので空気の温度で熱を奪われることはあまりありません。

むしろ室温よりも少しくらい高い温度の風でも涼しく感じます。

これは扇風機の風が肌表面の境膜を除去して肌からの蒸発を促進し、

蒸発の際の気化熱によって肌が涼しくなっているからです。

そのため風量が増えると涼しさも増します。

経済面では扇風機の方が当然優れています。

しかし扇風機では限界もあり、逆にクーラーは電力さえ使用すれば非常に涼しくできます。

ただ体感的に扇風機だけでも十分涼しくなると感じませんか?

タオルの乾燥もこれと同じです。

境膜を除去するため扇風機を使うことは経済的で効果がありますが、

それ以上の結果を求める場合は乾燥機や除湿器などが必要となります。

しかし扇風機によって私達が感じる涼しさを干したタオルも感じてると思えば、

かなり蒸発を促進するかもと想像できます。

ここでは扇風機を使って境膜の除去を最大限にすることを目的としており、

乾燥機や除湿器などを使うことは考えていません。

そのためここで出てくる数字以上の結果を必要とする場合は乾燥機などを使って下さい。

2.4 タオルの部屋干しテクニック

ここでタオルの特徴をもう一度振り返ってみましょう。

(タオルの乾燥における特徴)

 ・含水率が高いため乾燥時間が長い

 ・乾燥速度は比較的速い方である

 ・蒸発表面積が広く効率が良い

 (体積に占める表面積比率が高い)

タオルの乾燥時間を短くするには乾燥速度を速くするしかありません。

(脱水による含水率低下は望めません)

しかしタオルは蒸発表面積が広いため乾燥速度UPが十分に望めます。

タオル表面の境膜を除去するためにはタオルに風を当てる事です。

そこで有効な方法が扇風機を使った回転式乾燥スタンドです。

この乾燥スタンドの特徴は次の通りです。

・タオルが回転することで干す場所に関わらず均一な境膜の除去ができる。

・タオル表裏とも境膜が除去されるので蒸発表面積が広くとれる。

・定期的に扇風機の強い風が直接当たるのでさらに境膜の除去が促進される。

・空気も回転するため蒸発した水蒸気が留まることがなく強制的に拡散される。

そのため雨天時の夜間に部屋干しした場合でも約3時間で乾かすことができます。

こちらは以前、色んな洗濯物と一緒に干したときの乾燥率の実測データですが、

タオルが圧倒的に速く乾燥していることがわかります。

これはタオルが多くても同じことです。

実験として30枚ほどの大量のタオルを干しながら、1時間ごとに重さを計測しました。

この日は天候は曇り、24℃、65%です。

タオルの乾燥表面積を最大限にするために全て折らずに干しています。

そしてこちらは各時間ごとのタオル総重量です。

これだけタオルを干すと1.5kg以上の水分が蒸発しています。

しかしながら2時間後には全て乾いています。

しっかり換気すればタオルが多くても何ら問題ありません。

脱水時1時間後2時間後3時間後
3,634g2,349g2,117g2,108g


3. 毛布の部屋干しテクニック

毛布やシーツも原理はタオルと同じことです。

確かにタオルに比べて大きくなっていますが同時に乾燥表面積も広くなっています。

毛布は厚いので多少乾きにくいですがシーツは薄いためむしろ乾きやすいはずです。

しかしいずれも大きいため干す時に折ってしまい蒸発表面積が狭くなり、

また境膜も全体を覆うほど大きく、厚くなっているので蒸発が抑えられています。

では毛布やシーツはどのように部屋干しすれば速く乾くのでしょうか?

実はタオルと全く同じ干し方です。

乾燥スタンドはなんと毛布やシーツも回転させることができます。

この乾燥スタンドの良い点に干し竿の位置を自由に調整できることがあります。

このように干し竿を低くしたり、高くしたり自由に調整、固定ができるのです。

そのため毛布やシーツを干す時は干し竿を高くすることで床に触れることなく、

干すことができるようになります。

掛けられる枚数は1度に2枚までです。

重量が重くて風を受ける面を作りにくいため扇風機は2台必要となります。

重たい分、回転数は遅くなりますが折らずにスタンドに掛けられるので、

蒸発表面積が広くとれます。

1m×1mのスペースに毛布が2枚干せて回転するって面白くないですか?

気になる乾燥時間ですが、当然速く乾きます。

・シーツ2枚を部屋干しした場合

 温度   : 28℃

 湿度   : 60%

 回転数  : 9rpm

 天候   : 晴れ(12:00~)

 乾燥時間 : 1~2時間

・毛布2枚を部屋干しした場合

 温度   : 30℃

 湿度   : 60%

 回転数  : 6rpm

 天候   : 晴れ(12:00~)

 乾燥時間 : 2~3時間

いずれも晴れた日で乾きやすい環境でしたが、

日光に当てることなく部屋干ししているので結構速く乾いていると思います。

4. さいごに

毛布やシーツが部屋干しで乾きやすいということをタオルを例に説明しました。

そして乾燥スタンドで実際に毛布やシーツを回転させて干せることを紹介しました。

部屋干しでは乾燥機や除湿器をよく見ますが、それよりもまずは扇風機をオススメします。

私は扇風機だけで十分乾かせると思います。

このテクニックがあれば花粉の時期の洗濯がだいぶ楽になるはずですよ。

乾燥スタンドは自分で作れますので、その使い方や作り方はこちらをご覧ください。


回転式乾燥スタンドをDIY

 サンルームで検討した経験をもとに、部屋干しでもあっという間に乾かせる回転式乾燥スタンドを自作DIYしました。扇風機の風を当てると洗濯物がくるくる回転して万遍なく均一に乾かすことができます。蒸発した水蒸気も効率よく排出し、扇風機だけで乾くので電気代も10円程度で済みますよ。






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